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2006年1月18日 (水)

世界自然遺産「知床」

ちょっと古い話ですが、「地図中心」05年9月号に、世界自然遺産「知床」の特集がありました。北海道の読者も増えたので、取り上げさせてください。
「知床」登録までには、かなり紆余曲折や地元の努力があったようですね。平成5年ころから地元では世界遺産に登録したいという動きはあったようですが、行政機関は動きは鈍かったようです。確かに知床国立公園は原始性が日本では高くても、こういった地域に類似する景観や生態系は、特に極東ロシアではもっと大規模にあるでしょう。消極的になるのもムリはないです。
ところが平成14年に知床を視察した国際自然保護連合(IUCN)の人が、「海との関わりを前面に出せば充分世界遺産足りうる」と教えてくれました。目から鱗だったようで、世界で最も低緯度の季節海氷域ということが特徴でした。海氷に乗って来た珪藻類の植物プランクトンが、春には動物プランクトンに食べられ大発生し、それがカラフトマス・シロザケなどの魚介類、さらには海鳥やアザラシ、そして溯上する魚を捕食するヒグマやシマフクロウ・・と、食物連鎖が海陸一体として繋がっている。そしてシマフクロウ・オオワシ・オジロワシなどの生息地としても重要で、そういった意味で高く評価されたようです。そのため海側のエリアは、当初予定の陸より1kmから3kmに拡張されるほどでした。
世界自然遺産は申請すれば必ず登録されるわけでもなく、たとえば2005年は13件申請で7件登録です。日本では92年に世界遺産条約に加盟して直後「屋久島」「白神山地」が登録されて以来の自然遺産で、現在160件が全世界で登録されています(文化遺産は628件で日本は10件)。自然遺産といっても決して原始に戻すのだ、ということではなく、人間活動が生態学的に持続可能であれば共存できる、という考え方が条約の作業指針に明記されています。これから日本でも増えるといいですね。
「知床」でまた記事になっていたのが、戦前に硫黄山という鉱山があったのですね。火山が噴火したあと、沢が硫黄で埋め尽くされ、昔は火薬の硝酸を精製するために大量に軍需物資として必要だったようです。川や海が黄金色に染まって、いわゆるバブルのように儲かったそうです。
あと幕末・明治と知床を探検した「松浦武四郎」という人の記事もあり、数多くのアイヌ語の地名を日本語に訳し名づけた人で「北海道」の命名者としても有名だそうですが、北海道の人、知ってました?[海]は[カイ]でアイヌ語で自分たちを指す言葉、つまり「北海道」とは「北のアイヌの国」という意味も込められてるそうです。他にも「知床」はsir-etokで陸地の先端・地の果てという意味だとか。江戸時代の地図では「白イ所」と書かれてるのもあります。

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コメント

すいません。よけいなことを書きましたかね。ついでにホット?な部分も付け足しました。ご参考までに。

投稿: joker | 2006年1月19日 (木) 21時47分

北海道の出身ですが、「松浦武四郎」というのは聞き覚えがないです。学生時代に北海道の歴史を学ぶ授業があったのですが、覚えていないだけかもしれません・・・。
とても勉強になりました。今まで北海道の名付け親って聞かれて、答えられないなんてちょっと恥ずかしい感じです。
もう少し、地元のことを大切にしないといけませんね・・・。

投稿: shu | 2006年1月19日 (木) 16時20分

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